ゼロの使い魔 ハルケギニア南船北竜
第X話「Personne N'attend L'enquete Romaine!!」




「罪状は三つ! 法理の歪曲! 贈収賄! 禁制品の売買! 始祖への不敬! ……ええい、やりなおしだ!」

 ……僕は今、何故ここにいるんだろう?

 夜の王都トリスタニア。
 誰とも知れない法衣貴族の屋敷、その応接間にて。
 リシャールは高位聖職者の着る赤い法服を無理矢理着せられ、熱弁を振るうトリステイン王国宰相にしてブリミル教枢機卿たるマザリーニに付き従い、自分と同じ様な釈然としない表情をした王宮衛士隊のワルド子爵とともに軍杖を構えていた。


 その日、リシャールは商用で王都トリスタニアに来ていた。
 足を伸ばしたついでに、マザリーニ宰相に街道工事の進捗状況の報告を兼ねて王宮を訪ねたのがそもそもの間違いだったのかも知れない。夕刻近くになっていたが、今日はまだぎりぎり執務時間の最中であったのもまずかった。
「ほう、リールまでの街道はもうそこまで整備が……」
「はい、一本だけでも先に完成させた方が良かろうと、他の場所よりも余力を傾注しております」
 定例となっている報告と情報交換。
 時間になると小者の官吏が現れて、次の予定を告げるのもいつものことだ。宰相は忙しい。
 だが、その日は少し様子が違った。
「失礼いたします、宰相閣下。
 ワルド子爵閣下がお見えでございます」
「おお、もうそんな時間か。
 セルフィーユ子爵はワルド子爵とはお知り合いであったかな?」
 ワルド子爵は義父のラ・ヴァリエール領に隣接する領地を持つ諸侯であり、彼の名前は知っていた。園遊会で警備をしていた彼とは、少しながら話をしたこともある。場合によっては年上の『義弟』となる可能性があったから、挨拶だけはしておきたかった。
「はい。
 閣下、退出の前にご挨拶だけさせて貰っても宜しいでしょうか」
「もちろん。
 ……ワルド子爵を通してくれ」
「はい」
 待つこともなく、髭を蓄えたワルド子爵が現れる。
「ワルド子爵、お疲れのところ申し訳ない」
「いえ、宰相閣下。
 例の件ですが……と、セルフィーユ子爵?」
 幸い、ワルドはリシャールの事を憶えていてくれたらしい。
「はい、お久しぶりです、ワルド子爵殿。
 ご挨拶だけでもと思いまして」
「園遊会以来だね。
 今日は宰相閣下と密談かい?」
「ふふ、報告ですよ。
 密談と言うには……うーん、街道を通れば旅人の誰にでもわかる事ですので、ちょっと筒抜けに過ぎています。
 工事の状況は逐一庁舎の掲示板にも張り出していますし……」
「ははは、なるほどね」
 冗談めかして問われる程度には、心を許して貰えているようだ。
「では失礼いたしますね、お忙しいお二方のお邪魔をするのは気が引けますので」
「いや、少し待ってくれたまえ」
「ワルド子爵?」
 リシャールは手振りで退出を止められた。
「宰相閣下、セルフィーユ子爵には?」
「ふむ、内容を考えると……聞いておいて貰った方が良いか。
 セルフィーユ子爵、もう少々お時間を戴いても?」
「ええ、はい。大丈夫ですが……」
 また厄介事か、とは表情に出さずに頷く。沈黙はリシャールにできる最大限の抵抗なのだ。

 一応、今のところ直接の関係はないと前置きを貰い、リシャールは再び席に着いた。
「内偵を進めておりました例の役人ですが、やはり黒と出ました。
 結びついていたのは王都に居を構える商人ですが、扱う品目を見るにこれはアルビオンの新興勢力と関係が深いようですな。
 それから宰相閣下が仰っていた……」
「ああ、あれか。
 レコン・キスタの下部組織の一つ、リッチモンド商会だな。……決まりか。
 マリアンヌ様より君の隊を借りるご許可は、昨日の内に頂戴しておる。
 早速、出立の用意をしてくれたまえ。
 私は審問状……もとい、逮捕状を用立てておく。
 それから、貴殿も例の格好で頼む」
「……はい、では」
 ワルドはさっと退室し、マザリーニは執務机に移動してリシャールとの雑談を再開した。
「セルフィーユ子爵に残って貰ったのはですな」
「はい」
 口を動かす間も、マザリーニは手を止めなかった。
 ワルドに対しては部下への口振りだが、リシャールには客人に対してのそれである理由など、マザリーニに聞きたいことはいくらかあったが、大人しく耳を傾ける。
「実は子爵のご領地を管理していた代官の不正追及が、事の発端であったのです。
 本人はなかなかに黒い尻尾を出しませぬが、その交友関係や資料を当たっていくうちに、次々と他の横領事件や不正な裁判が発覚しましてな。
 ……子爵には申し訳ないながら、今では半ば自由に泳がせて周囲の尻尾を掴むのに役立たせておる始末です。
 実働部隊からも大勢を割いて内偵……ああ、情報収集に当たらせておるのですが、何せ、信用できる者の数が少なすぎて身動きが取れぬ有様でしてな、子爵にも少しばかりお手伝い願いたい」
 実に嘆かわしいと口にして、マザリーニはサインを入れた書類を仕上げると小者を呼んだ。
「セルフィーユ子爵もこちらに。
 一応、表向きは私の護衛と言うことにしておきましょう。
 宜しく頼みますぞ、セルフィーユ司教座聖堂付き聖堂騎士隊の隊長殿?」
「はあ、微力ながら頑張ります……」
 ……直接の配下ではないが、トリステイン王国子爵としては王政府宰相閣下として、聖職者位階では司教枢機卿猊下と、それぞれ上位にあたるお方のご希望である。
 今日中に領地へと帰るのは、お預けになりそうだった。

 小者に案内された先で、是非も問われず真っ赤な高位聖職者用の法衣に着替えさせられたリシャールは、今度は宰相の執務室ではなく王城の玄関付近に案内された。もう辺りは暗くなっていたが、黒馬車の前でやはり赤い法衣へと着替えたマザリーニが手招きしている。
 そもそも宰相自らが小者の逮捕に奔走するのはおかしいのだが、信用できる者が少ないことの裏返しかもしれなかった。
 王都に来るのは暫く控えようと、リシャールは心のメモに書き付けた。
「おお、よくお似合いですぞ」
「ええっと、あの……猊下。身分の詐称は拙くないですか?
 私は聖職者ではなく、単なる聖堂騎士隊の隊長ですが……」
「クレメンテは子爵にお伝えしていなかったのかもしれませんが、子爵にはその服を公の場にて纏う資格がおありになる。
 聖堂騎士隊長と言えばロマリアでは相応の地位、トリステインで準えるならば軍人としては将官に匹敵する扱いですからな」
 本当ですかと聞き直したいのを堪え、リシャールは黙って頷いた。
 従者まで入れても一個小隊に届かないセルフィーユの聖堂騎士隊だが、リシャールも騎士隊長には違いない。確かにワルド子爵などは同じ騎士隊長と言っても王宮を守る魔法衛士隊の隊長で、格式などを考えれば正規部隊の将軍級の扱いでもいいような気もするが、では自分はと言えば地方にあるあまり重要でない駐屯地か出張所の責任者がせいぜいだろう。第一、気が引ける。
「宰相閣下、お待たせを。
 部下は既に街路に散らせ、網を張っております。
 ……服装はこれでよろしかったかな?」
「うむ、手間を掛けさせる」
 やってきた彼も赤い騎士服を着ていた。もっとも、騎士服の色には位階や階級、序列の差はない。戦場で目立つように原色の派手な物が好まれるが、時に騎士隊全員で統一して同じデザインの物を身につけることも多い。
「流石に貴殿を表立って聖職者として扱うのは始祖もお許しにならぬだろうし、第一私の良心が許さぬ。
 だがワルド子爵、要は相手が誤解すればよいのだ。
 ふむ……いっそ名誉助祭としてこの場で叙階して進ぜようか?
 貴殿の普段の言行を見るに、騎士としての模範的な態度も立派な推薦理由になるが?」
「いえ、それは結構。
 それよりも」
「そうだな、時間の方が貴重であった」
 御者には行き先が告げられているようで、三人で馬車に乗り込むとすぐに走り出した。
「目的の屋敷は貴族街の外れでね、逮捕状をかざして騒ぎを起こしながら入るわけにはいかないんだ。
 いきなり喉元に杖を突きつける方が相手の勢いを挫きやすいし、面倒が少ない。
 部下も門前に立つ少数の他は、平民の形をさせて伏せてあるんだよ」
「表向きは辻説法の聖職者が護衛の騎士と従者を連れて、貴族の屋敷を訪ねて回っている、ということにしております。
 セルフィーユ子爵もお含みを。……宜しいですかな?」
「はい、猊下」
 門を出た馬車は、既に市街を進んでいた。
 流石に昼に比べれば人の気配は少ないが、明かり一つない田舎に比べれば、夜の顔を持つ歓楽街の酒場や宿屋はそれなりに賑やかだし、王城や貴族の屋敷では魔法のランプや篝火が焚かれている。
「セルフィーユ子爵は宰相閣下の身の安全に気を配って貰えるかな?
 僕は偏在と共に相手に抵抗された場合と、それ以外の事態に備えておく」
「はい、子爵殿」
 多少居心地が悪そうに見えるワルド子爵と、目的地が近づくに連れて口数が少なくなってきたマザリーニにも若干の不安を覚えながら、リシャールを乗せた馬車は進んだ。
 到着した先は、リシャールの別邸よりは幾分小さいが、それでも下級官吏にしては大きな屋敷だった。離れも備えた立派な建物である。

 そんな彼らの目的地である貴族の屋敷で男が二人、密談に花を咲かせていた。
 一人は屋敷の主であろう恰幅の良い貴族、もう一人は羽振りの良さそうな商人風の男だった。
「しかし、そのリッチモンド商会というものは信用できるのかね?
 アルビオンの……あー、なんだ、王家からは目の敵にされておるのだろう?」
「おお、哀しいことを仰いますな!
 もちろん、もちろん信用出来ますとも!
 表向きはともかく、今ではアルビオン貴族の八割はリッチモンド商会の会員ですぞ。
 トリステインでも当商会比前年度のなんと三倍という驚異的な数字で会員数を伸ばしております。
 貴顕の皆々様にもご賛同の方々が増えておりまして、はい」
 商人風の男は、王立アカデミーを退職した研究者が精魂込めて作り上げた育毛剤から各国の美人画、健康に良い食品、高級化粧品や、果てはガリア製の超豪華高速両用船まで、種々雑多な商品絵の並ぶカタログを示した。ご丁寧に箔押しで装飾されており、中の絵は彩色されていた。
「まずはこちら、リッチモンド商会の会員に登録していただきますと、この商品カタログを無料で進呈いやします。
 ご登録後は必要な品をご注文になってもよろしいですし、御一族様や御友人などへのご贈答に、あるいは転売なさるのも良いでしょう。
 発注数に応じて礼金を納めさせていただきますし、数多くご注文いただいた会員様には、更に、更に特典がございます」
 商人風の男は更に別の冊子を示した。会員割引を謳うラグドリアン湖畔の貸別荘、火竜山脈の温泉、クルデンホルフのカジノ付きホテル無料ご招待などなど……。こちらも総天然色で彩られた豪華な見栄えの冊子である。
「こちらなど、かのガリア国王ジョゼフ一世陛下がお忍びでご利用されたという、格式の高いところでして……」
「おお、これは素晴らしい!」
「更にはこちら、五百エキュー以上お買いあげの会員様には特別のカタログも進呈しております」
「……なんだ?
 先の冊子に比べて随分とみすぼらしいな?」
「そこが狙い目なのでございます。
 この見栄えでは、どなたも重要な物とはお気づきになりません」
「ほう……?」
 しばらくのやり取りの末、貴族の男はリッチモンドの会員になることを承諾して契約書にサインを入れ、会費の他にラグドリアン湖のおいしい水と、そしてぼろぼろの冊子に記されていた、彫像を専門とする土メイジが原型を製作したという美人を模した等身大裸婦像とたちどころに女性にモテるという禁制品の媚薬を注文し、合計八百エキューを支払った。彼の収入からすると過ぎた買い物だったが、商人が上手く言いくるめたようである。
「ご注文誠にありがとうございます。
 こちらのカタログは毎年更新されますので、年度の変わり目にまたお持ちいたしましょう。
 それから……先日の高等法院での一件、誠に助かりました。
 あの方も特別会員でいらっしゃいまして、私どもも大変憂慮しておりましたのです」
「ああ、あれか」
 高等法院での裁判にてジェスチャークイズで判決が言い渡されたかどうかはともかく、両者の間で金銭のやり取りがあったことは言わぬが花であった。それがきっかけで手に入れにくい貴重な品々を扱う商人と繋がりが持てる上に懐が潤うのだから、貴族の方は笑いが止まらない。
「なに、裁判席に座す者として当然の努め。
 罪無き者が裁かれては始祖も嘆かれよう。
 もっとも、始祖自らに裁かれた者はいないというのが、影の定説だがな」
「ははは、全くですな」
「審理も弁護もなく裁くなど、まさか、ロマリアの異端審問じゃあるまいし……」

「ロマリアの異端審問と申したか!!」

 大音声とともに、突然扉が蹴破られた。
 蹴破ったのはマザリーニだった。『鳥の骨』などと揶揄される細身の宰相のどこにそんな力があるのか、リシャールは首を捻りながらもワルドに続いて室内へと飛び込んだ。
 室内に乱入してきた赤い服の三人組に、驚く室内の二人。通常は小者が取り次ぐし、そうでなくともこんな怪しい者は門前払いされる。
 先ほども当然門前払いされそうになったが、マザリーニが聖杖で殴り倒したのだ。
 今日のマザリーニは、何処かしらおかしかった。マザリーニの周囲よりも、マザリーニ本人を注意しておく方がよいかもしれない。言葉はないが、ワルドも同じ気持ちだろう。先ほど視線をかわした際、リシャールと同じく困惑に満ちた目をしていた。
 それはともかく。
 部屋の真ん中に陣取ったマザリーニは、王城では持ち歩かぬ聖杖を掲げて二人に突きつけた。
 リシャールもちらりと横を見て、ワルド子爵に倣い杖を構える。
「望み通り、審問にかけて進ぜよう!」
「な、何奴!?」
「何奴とは笑止。
 貴様は我らの名を知っておるはずだぞ?」
 たった今呼んだではないか」
「ま、まさか本当に……異端審問官!?」
「我らの武器はただ一つ!
 何処にでも現れる耳の早さ! そして恐怖!
 この二つこそが武器だ!
 いいかよく聞け!
 耳の早さ! 恐怖! 始祖への信仰心!
 つまりこの三つだ!
 貴様の悪行、全て始祖がお見通しであるぞ!」
 マザリーニの普段とのあまりの変わり様に、付き従うリシャールとワルドは顔を見合わせた。自ら口にした武器の数も増えているが、それは些細な問題だった。
「魔法衛士隊の調査によると貴様の失策は二つ!
 白昼堂々と王城内にて贈収賄を行ったこと!
 それを小者に見られたこと!
 そのことに全く気付いていなかったこと!」
 三つ!? また増えてるじゃないか!
 リシャールとワルド、そして詰問にされている二人は同時に心の中で突っ込んだ。もちろん、マザリーニは周囲の空気など無視した。
「罪状は二つ! 法理の歪曲! 贈収賄! そして禁制品の売買!
 今増えたからもう一度言うぞ?
 法理の歪曲! 贈収賄! 禁制品の売買! 始祖への不敬! ……ええい、やりなおしだ!」
 マザリーニは茫然自失な室内の二人を背に、リシャールとワルドを促して廊下に出た。くるりと振り向くと、室内の二人に向けて指をパチンと鳴らす。
 貴族の方が、商人と顔を見合わせてから躊躇いがちに口を開いた。

「あー……まさか、ロマリアの異端審問じゃ……あるまい……し?」

「ロマリアの異端審問と申したか!!」

 我が意を得たりと飛び出して行くマザリーニを放っておくわけにもいかず、ワルドは死んだ魚の目で、リシャールは痛む頭を押さえながら、それぞれマザリーニへと続いて『再び』室内に走り込んだ。
「いいか、我らの武器は以下略!
 貴様の罪状は以下略!
 告白すれば以下略!
 そもそも信仰とは以下略!」
 しばらくして、室内を注視していた為に『本体』と共に意識を手放していたワルドの『偏在』が再起動を果たして呼びに行った部下達が駆けつけてくるまで、枢機卿のありがたい説教は続いた。

「憶えていらっしゃらないのですか!?」
「お恥ずかしい、何も憶えておりませぬな。
 何やら夢うつつで始祖の教えを説いていたのは思い出せるが……。
 どうもあの法衣、マジック・アイテムであったようで、入れていた行李に説明書きがありました。
 ……気付いたのは今朝ですが」
 王都で余計に一泊した翌日、リシャールは再びマザリーニの執務室に呼ばれていた。
 無事に犯人も逮捕され、レコン・キスタへの手がかりもつかめたのだが……。
「しかし、セルフィーユ子爵が聖杖でなく軍杖をお使いでよかった。
 あの法衣は聖杖と揃って、初めて機能するらしく……先々代の教皇聖下より賜ったもので、千数百年前、聖戦が発動された時に最前線で活躍した聖者が身に纏っていたという歴史のある逸品なのですが、子爵らの表情を見るに、しかるべき時以外は表に出さぬがよいようですな」
「はあ……」
「セルフィーユ子爵にお貸しした物も含め、三着が一組になっておりまして、それぞれ『ザイミネッツ枢機卿の聖法衣』、『ビグルス枢機卿の正法衣』、『ファン枢機卿の誓法衣』と呼ばれていたということは聞いておりました。
 あれは先々代の教皇聖下がまだ枢機卿で在られた頃、私はまだ右も左も知らぬ叙階したての助祭でありましてな……」
 照れ隠しか、長々と続くマザリーニの昔話を聞きながら、リシャールは早く帰ってカトレアとマリーの顔が見たいと、それだけを考えていた。
 余談だが、この騒動をきっかけにワルド子爵がトリステインを見限ったのかどうかは、定かではない。


 一方その頃、セルフィーユでは……。
「我らは始祖の使命を帯びているのだ!
 行け! 行け!」
 クレメンテ司教がオープントップの黒馬車を飛ばし、揃いの黒服に黒眼鏡を身につけた聖堂騎士を引き連れて、迷子の子供を親元へ送っていた。
「聖堂騎士隊、賛美歌詠唱!!」
 鍛え上げられた野太い美声と調和のとれた見事なアカペラで詠唱される『ピーター・ガンのテーマ』は、一リーグ離れた場所でも聞こえた。
 人々は、またもやクレメンテ司教が皆を救うためセルフィーユの方々を走り回っているのだろうと、始祖に感謝の祈りを捧げたと言う。





蛇足

 元ネタはMonty Python's Flying Circusより"Nobody expects the Spanish inquisition"、"The Bishop"他いくつか
 若い人がおいてけぼりかもしれないですが……
 エイプリルフールに向けて用意した物ですので、当然ながら南船北竜本編とはリンクいたしておりません
 また本来ならば題名のL'enqu"e"teのeはアクサンテギュ(アクセント記号)のついたeですが、エンコードのトラブルを避ける都合で単なるeの表記としてあります






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